2013年9月28日土曜日

第2回 大会について

2回関西大学英米文学英語学大会
(関西大学大学院英語英米文学研究会、関西大学英語学会共催)


今年度は、大阪大学から国語学の専門家で役割語の概念で
注目を浴びている金水敏先生を講演にお迎えします。
詳細はこちらのブログでアップデートしていきます。

日時 9/28(土) (13:00~17:40 )


受付      (12:30~)
研究発表(13:00-14:30)
英米文学        
吉木謙次郎(M1)「キャサリンとヒースクリフの魂の行方:『嵐が丘』再考」
大庭咲子(M2) 「ドリアン・グレイの肖像におけるダブル」
上村周平(D1) 「『ゲド戦記』における竜」

英語学            
鍋島弘治朗・上谷明日香 「Juicy Peach と Honey Brown-<<女性は食べ物>>メタファーについて」
初晴(M2) Euphemisms in English, Chinese and Japanese
望月雄大(M2) Zeugma再考-メタファー理論の観点から



レクチャー(14:30-15:20)                     
池田佳子(関西大学国際部准教授、国際教育副センター長)


卒論構想発表会 (15:25-16:30) 詳細


講演 (16:40-17:40)

役割語と地域言語などの英語の多様性との関わりをお話しいただきます。詳細は標題をクリックしてください。










懇親会18:00-20:00)すっぽん 
本学学生 1,500  一般学生 2,500       一般  3,500

2013年9月25日水曜日

レクチャー要旨

キャンパスの国際化を目指した活動と派遣留学制度について~関西大学の現状と展望~

本発表では、関西大学の近年のキャンパスの国際化を実現させるためのさまざまな実践とその効果について報告するとともに、本学の留学制度を活用し留学をしたい方にとって有益な情報や、グローバル人材を求める現代社会において、今留学することがどのような将来のステップにつながっていくのかといった、誰もが気になるトピックを具体的な例と共にお話したいと思います。また、アウトバウンド(派遣)の話だけではなく、関西大学へ留学してくる国際学生達、つまりインバウンド(受け入れ)事情もお話し、より全体像を理解してもらえるように情報共有をしたいと思います。
加えて、関西大学の国際化構想が近年中に実現させていこうとしている形についても、可能な範囲でその先取り情報をオーディエンスのみなさんにお知らせし、どのようにみなさん個人個人が国内(大学)に居ながらも国際的な感覚を修得し、留学のチャンスを活用しながら自分の理想のキャリアパスへのアクセスを構築できるか、一緒に考えていく機会としたいと思っています。

卒論構想発表会 詳細スケジュール

第1発表者 15:25-15:40
第2発表者  15:40-15:55

第3発表者  16:00-16:15
第4発表者  16:15-16:30


E601
1発表者 なし
西谷美咲       「英詩における<秋>のテーマ」   高橋ゼミ
西澤美香       「依頼におけるポライトネス」       野口ゼミ
岩尾咲子       「知的障害者と健常者のバディ・ムービーにおける構造的特徴――Of Mice and Men  Rain Manを比較して――         秋元ゼミ

E602
小石原秀樹    「『オズの魔法使い」――ドロシーの旅」     谷口ゼミ
尾原大二郎    「日本とアメリカの仕事観」       石坂ゼミ
清遠祐介       「白い象のような山並み」読者の役割と視点の効果―       干井ゼミ

宮崎真衣「俺様だって僕と一緒の "I" なのだ児童アニメから見る日英語の役割語」鍋島ゼミ

関大英米文学英語学会大会講演要旨

関大英米文学英語学会大会講演要旨
「英語の多様性、あるいは非正規的英語と役割語」

金水 敏

 講師は、拙著『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』(岩波書店、2003)その他で、日本語を中心に「役割語」というフィクションの言語が我々の知識の中に存在することを指摘した。たとえば「そうなんじゃ、わしが知っておるんじゃ」という〈老人語〉、「そうですわよ、私が存じておりますのよ」という〈お嬢様ことば〉がその典型であり、特定の話し方と人の類型・社会的グループが人々が共有する知識の中で緊密に結び付いていることが分かる。

 一方、英語ではこのような〈老人語〉や〈お嬢様ことば〉と等価な類型を見いだすことはむずかしいが、このことが英語に役割語が存在しないことを示す訳ではない。従来、非正規的(なまった)英語やピジン英語などと呼ばれてきたヴァリエーションがフィクションの中で意識的に使われる時、その多くは話し手の属性を端的に表すために用いられているので、これらを役割語と見なすことが可能である。本講演では、このような観点から小説や映画、マンガ、アニメ等に現れた英語のヴァリエーションについて、その実態や歴史的形成過程またコミュニケーション上の機能を分析していく。

講演者略歴

(1)  氏名と所属(職位)
金水 敏(きんすい さとし)
大阪大学大学院文学研究科・教授

(2)  主な経歴(学歴、職歴)
1981年 東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了
19871990年 大阪女子大学学芸学部講師・助教授
19901997年 神戸大学文学部助教授
2001~現在 大阪大学大学院文学研究科・教授

(3)  主な著書と論文
金水 敏 (2003)  『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』岩波書店
金水 敏 (2006)『日本語存在表現の歴史』ひつじ書房
金水 敏(編)(2007)『役割語研究の地平』くろしお出版
金水 敏(編)(2011)『役割語研究の展開』くろしお出版

金水 敏・高山善行・衣畑智秀・岡﨑友子(共著)(2011)『文法史』シリーズ日本語史, 3             岩波書店